第1回|親に介護が必要になると、お金はどう変わる?

◆ はじめに

「母が骨折して入院。退院後はしばらく家で介護が必要って言われて…」
そんなご家族から、私はケアマネジャーとして相談を受けることがよくあります。

そして必ずと言っていいほど、こう聞かれます:

「で、実際、どれくらいかかるんですか?」

——答えは、ケースバイケース。
でも一つ確かなのは、介護は“じわじわと確実に”家計に影響するということ。


◆ 公的介護保険は「一部負担」であることをまず知る

介護保険を使えば「無料でヘルパーが来てくれる」と思っていませんか?
実際には、サービス利用の1〜3割を自己負担する仕組みです。

例えば、要介護1の方が月に10万円分のサービスを利用した場合、自己負担は:

1割負担:1万円

2割負担:2万円

3割負担:3万円

しかも、限度額を超えた部分は全額自己負担になります。


◆ 「最初にかかるお金」が意外と多い

介護が始まるとき、多くのご家庭が初期費用で驚かれます。たとえば

項目 : 目安金額(概算)
介護ベッドのレンタル初期費用 : 約2,000〜5,000円/月
住宅改修(手すり・段差解消) : 最大20万円(補助あり)
介護用おむつ・衛生用品 : 月5,000〜10,000円程度
福祉用具(杖・歩行器等) : レンタルまたは購入

さらに、通院の付き添いにかかる交通費や、家族の休業・早退による損失も見逃せません。


◆ ケアプランによって負担額は大きく変わる

介護サービスの内容は、ケアマネジャーが作成するケアプランによって決まります。
つまり、どんなサービスを、どれくらい、どの事業所から使うかによって、月々の自己負担額が変わります。

実例(要介護2・一人暮らし):
デイサービス(週2)+訪問介護(週2)
ベッド・手すりのレンタルあり
👉 自己負担:月約15,000〜20,000円程度(1割負担の場合)

💡「できるだけ費用を抑えたい」というご希望がある場合は、事前にケアマネへ相談を。
本人の生活状況・家族の介護力も踏まえて、柔軟に組み立てることができます。


◆ 見落とされがちな“介護以外の出費”

介護が始まると、医療費・生活費・家の維持費なども増えやすくなります。

通院頻度の増加 → 医療費+交通費

冷暖房の長時間使用 → 光熱費アップ

食事内容の変化 → 食費や配食代の増加

安否確認や見守りサービス → 月額数千円


◆ まとめ|介護が始まると「生活費の構造」が変わる

介護にかかるお金は、一時的な出費というより“継続する生活コスト”です。
しかもそれは、気づかないうちに家計全体にじわじわ影響していきます。

まずは「介護が始まると、生活がどう変わるか」を全体で把握し、
できる範囲で早めに準備しておくことが、将来の安心につながります。


▶ 次回予告

第2回|親のお金、どこまで把握しておくべき?
——「通帳はどこ?」「保険証券が見当たらない…」介護が始まる前に“やっておきたい資産の見える化”をお伝えします。

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