~介護が必要そう…と思ったら。どこに相談? どんな手続き? そして、かかる費用は?~
◆ はじめに
「最近ちょっと足元がおぼつかなくなってきた父を見て心配になった」
「母の物忘れが増えてきたけど、まだ介護ってほどではないし…」
―こんな時、どう動けばいいのか。
現役ケアマネの立場からお伝えしたいのは、”要介護状態”になる前から、制度にアクセスしてよいということです。
今回は、要介護認定の流れと、申請時によくあるご質問 ―「どこに相談すればいいのか?」「費用はかかるのか?」を、分かりやすく解説いたします。
◆ 介護サービスを使うには「要介護認定」が必要
介護保険制度のサービスは、原則として“要介護認定”を受けている方が対象です。
この認定によって、サービスの内容や限度額、支援の範囲が決まります。
認定区分の一覧(全7段階)
(区分)要支援1・2
(状態の目安)日常生活に一部支援が必要な状態
(使える主なサービス例)デイサービス(短時間)、体操教室などの予防サービスなど
(区分)要介護1~5
(状態の目安)徐々に介助が必要~全面的介護が必要な状態
(使える主なサービス例)訪問介護、通所介護、福祉用具、短期入所生活介護など |
💬「まだそこまでではない」と思っても、“要支援”の段階での支援活用が非常に有効です。
◆ どこに相談すればいい?(はじめの一歩)
一番身近で頼りになるのが、市区町村の介護保険課または地域包括支援センターです。
ご本人やご家族が、直接問い合わせ・相談することができます。
✅ こんなことを聞いてOK
・「最近のようすから、介護申請した方がいいか」
・「要支援と要介護、どっちになる可能性があるか」
・「申請に必要な書類を教えてほしい」
📌 現役ケアマネの実感として、「もっと早く相談しておけばよかった」という声は多いです。
◆ 要介護認定の流れ(おおまかなステップ)
1.【市区町村へ申請】(本人または家族、包括支援センターが代行可)
2.【訪問調査】(市の調査員が自宅などに訪問)
3.【主治医意見書の提出】(本人のかかりつけ医に市区町村が記載を依頼)
4.【審査・判定(介護認定審査会)】
5.【認定結果の通知(申請から概ね30~45日くらい)】
📝 認定結果が要支援であれば地域包括支援センター、要介護であればケアマネジャーがケアプランを作成して、介護サービスがスタートします。
◆ 認定にかかる費用は?
ここはご安心ください。
要介護認定の申請や調査にかかる費用は無料です。
また、主治医意見書に関しても、通常は市区町村の負担となります。
◆ よくある誤解とアドバイス
誤解①:「申請は本人が嫌がるからできない」
→ 介護申請=施設に入る、ではありません。
“元気に暮らすために“サポートを受ける仕組み”だと前向きに説明しましょう。
誤解②:「まだ大丈夫。ギリギリまで使わない」
→ 実際には、“支援”の段階で関わることで、要介護への進行を防げることもあります。
早めの相談は、将来の負担を減らす第一歩です。
◆ 現場からのひとこと
ご家族が「まだそこまででは…」と遠慮されていた方が、
ある日突然の転倒で入院され、そこから介護が一気に始まった、というケースを多く見てきました。
介護保険は“困ってから”ではなく、“困る前に”使える制度です。
元気な今こそ、制度につながっておく価値があります。
◆ まとめ|「迷ったら申請」がおすすめ
介護認定は、必要がなければ“非該当”になりますが、それもひとつの情報です。
今の状態を把握する機会にもなりますし、今後の変化に備える準備にもなります。
✅ 迷ったら、まず地域包括支援センターやかかりつけの医療機関に相談を。
✅ 「親にどう切り出すか」は次回以降のコラムでも取り上げます。
▶ 次回予告
第4回|ケアプランとお金のリアル:希望と制度の間で
――「もっと手厚くしてほしい」が実現しない理由と、自己負担を抑えるヒントとは?

