MRIと夢

先日、生まれて初めてMRI検査というものを受けました。

MRI検査については、私の仕事柄たくさんの人たちから話を聞いてきました。

検査を受けてきた方に対して私はいつも「それは大変でしたねー」などとわかったような返事をしていましたが、実際の検査を経験したことはありませんでした。

今考えるといい加減な返事をしていたものと反省しています。

今回は人間ドック的な検査ではなく、診察中に「頭部MRIをやりましょうか?」と医師に突然告げられて検査をするという状況でした。

つまり心の準備が出来ていない心臓バクバク状態での検査だったわけです。

この極限状態で病院の待合室に座っている・・・そんな状態から看護師さんに名前を呼ばれました。

は、は、はい!

ベッドとドーナツ

まず親切な看護師さんに検査室に連れて行かれ「こちらにお着替えください」と渡されたズボン。これがメチャ短いという悲劇に見舞われました。

完全に足の脛まで出たパジャマ風のチェック柄ズボンを履いた状態で「お呼びするまで待合室でお待ちください」と。噓でしょ・・・このカッコで?

上半身は普通のシャツであったため、それはことさらに異様な姿であり、待合室に戻るとそこにいた数名の人たちは一斉に目をそらしました。

んーMRI恐るべし。あなどれない・・・

待っている間にMRIについての知識を復習をする。

MRIのMはマグネットのことで磁力を使った検査。そのため金属を身に付けたままの検査は不可能。心臓ペースメーカーや脳クリップ、人工関節などがある場合はCT検査に切り替わる。ちなみにCT検査は放射線(X線)を使い造影剤を体内に注入して行う・・・

5分ほど(気分的には1時間超)で検査技師さんに名前を呼ばれ、検査室に入室します。

デター! 病院案内のパンフレットでよく見るベッドの頭側にデカいドーナツがくっついた機器がドーンと登場。

ベッドに横になり説明を聞く。

時間は15分・・・15分! 工事現場のような大きな音が出る。目は開いたままでもつぶってもOK。動かないように。開始前に緊急ボタンを渡すので気分が悪くなったらボタンを押すと緊急停止できる・・・なるほどなるほど。

工事現場

胸から膝までタオルを掛けられ、両耳にきつめのパッドを押し付けられる。顔全体に野球のキャッチャーがかぶるマスクのような格子状の金属装置をかぶせられる。一瞬、シン・仮面ライダーが脳裏をかすめる。

マスクがベッドに固定された瞬間にもう身動きが出来ないことを悟ると、一気に不安感が増幅してきます。

ここで検査技師さんがナースコールのような緊急ボタンを手に握らせてくれると、スッと不安感が無くなり肩の力が抜けるのがわかります。

「では動きますねー」と声が聞こえ、ベッドが頭側からドーナツに入っていく。いやドーナツが動いているのか?いやこの際どっちでもいいや。

せ、狭い!実感では目の前10cmの狭さ。まだ動いている段階なのにもう緊急ボタンを押しそうになるが、さすがにそれは恥ずかしいのでグッと我慢する。これは閉所恐怖症の人はかなりつらいはず。

動きが止まると何やら音が聞こえ始めます。

ガンガンガン、ピーーー、ガチャガチャガチャ・・・ピロピロピロ・・・ガン!ガン!ガン!

目をつぶり他のことを考える。なんか楽しいことを考える・・・いやどうしても仮面ライダーが浮かんでしまう。

それにしてもこの握った緊急ボタンの効力はスゴイ。とてつもない安心感だ!

私が仮面ライダーに変身してショッカーと闘い始めた辺りでブザーが鳴り我に返る。「はい、お疲れさまでしたー」

夢の跡

着替えをして30分ほど待ち、画像を見ながら医師の話を聞きました。

異常はないとの話を聞き、ひと安心。

画像を見ると、脳の血管が3Dで描画され、360度どの方向からも見ることが出来ます。凄い。

自分の頭の中の血管はこんな感じなのか・・・なんかサンゴ礁のような・・・

どこも詰まっていないようでした。素人にはよくわかりませんでしたが。

はじめてのMRI検査を終えて病院を出る。自分の身体の普段は覗けないところを覗いた不思議な感覚がありました。

なんか夢のような、現実ではないような。

手のひらをじっと見る。改造はされていないようだ・・・

頼りない自分の身体さすりながら、病院を後にしました。

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