4月に入った頃から、自宅マンションの朝時間がにぎやかになり始めました。
私が通勤する時間にも、同じエレベーターに黄色いランドセルとその両親が2組も一緒になったり。
どうやら私が出かける時間が、たまたま新1年生の通学時間と一緒になったようです。
毎朝満員のエレベーターもちょっとかわいそうなので、翌朝から通勤時間を2分だけ早めてみました。
すると予想通り時間差ができ、途中の階には止まることなく1階まで直行となりました。
よしよし! と自転車に乗る。こぎだす。スピードを出す。
・・・あら不思議! 気分がちょっと違うんです。いつもとは何かが違うんです。
そう、気分がいいんです。前向きな気分になっていることに気づくんですね。
家を出る時間をたった2分早めただけでこんなに気分が変わるのかー。信じられない!
ポジティブな気分に背中を押されて会社に向かいます。
風景が違う
いつもより少し早く出勤することによる気持ちの変化は、想像しているよりもかなり大きいことに気づきます。
空気がいつもより少し澄んでいる気もするんですね。
自分の感覚としては2分ではなく1時間くらいの早出に感じちゃう。不思議!
家から出てまず気づくことは、いつもすれ違う見慣れた顔の人たちがいないということです。
毎朝の常連さんがいない代わりに、見たこともない人たちとすれ違うんです。
そうすると、これまた不思議なことに周りの風景も変わるんですね。ちょっとだけ知らない街に来たみたい。
この街にはじめて引っ越してきた時の、新鮮なトキメキをちょっとだけ思い出します。
風がちょっとだけ頬に冷たく、気持ちがちょっとだけ軽くなる。
川面の光がちょっとだけキラキラしていて、野鳥の声がちょっとだけ大きい。
たった2分で! すごい発見です。
前向きになる
私の場合は自転車通勤ですが、電車通勤の方でも同じ感覚を味わうことが出来ます。
電車、バスを1本早めるだけ。たったそれだけです。
お住いの場所にもよりますが3分~10分程度の早起きで気分をアゲられます!
1本早めると電車が混んでしまう方もいるかもしれませんが、前向きな気分で仕事を始められるメリットはそのデメリットを確実に凌駕します。
電車内のメンバーがすっかり変わり、車窓の風景も明るく眩しく感じます。
電車を降りた後もちょっとだけ違う風景を感じながら会社に入り、同僚から「あれ? どしたの?」なんて言われます。
「あ、1本早いのに乗れたんで」とだけ。
ちょっとだけ気分が良くなり、ちょっとだけ前向きな気持ちになれる。
この「ちょっとだけ」が日常を劇的に変えてくれるきっかけになるんです。
楽しむ努力をする
人生を楽しんでいる人をメディアなどでよく見かけます。
みんな苦労もなく好きなことをして生活できているなんて羨ましいなぁ・・・なんて思ってしまいます。
でも人生を楽しんでいる人たちに共通している点があることに気づきます。
ほとんどの方が人生を楽しむ「努力」をしているんですね。
何の工夫もなく漫然と毎日を過ごしていると、当然そのまま何事もなく時は過ぎていきます。
そこにその人なりの楽しみをちょっとだけ加えて、人生にスパイスを加えているんです。
多忙な中でボランティアをしてみたり、ベランダで薔薇を育ててみたり。
ちょっとだけ手間のかかる、ちょっとだけ大変な「まわり道」をしているんですね。
この人たちは生まれつきバイタリティーがある人たちで私とは住む世界が違うんだ・・・と思うのは大間違いで、この人たちは努力をして工夫をして人生を楽しんでいるんだということです。
少しの努力で人生を楽しむことが出来るのなら・・・やってみても損はないはず。
ハートが揺れる
ちょっとだけ早出をしたこの日。実は夢のような光景を見ました。
通勤途中の急坂を自転車で立ち漕ぎし、坂のピークに差し掛かって顔をあげた時のこと。
赤いランドセルを背負った小学3年生くらいの子が、上から落ちてくる桜の花びらをつかもうと何度もジャンプをしていました。
ピークを終えた桜は吹雪のように花びらを散らせており、それを何とかつかもうと何度も両手で上げていたんです。
しかもたった一人でキャッキャと笑いながら。
呆然と立ち尽くす私の視線に気づき、こちらを一瞥してもなお気にせずにジャンプし続けています。
一枚の絵画のようでした・・・久しぶりに心が揺れました。芸術はまさに日常にあるんです。
たった2分でハートが揺れたか・・・スゴイ効果だ・・・
どうかこの子にも小さな幸せが訪れますように・・・
深々と頭を下げて、横を通り抜けました。


