今回は「訪問看護」「訪問入浴」についてのお話です。
訪問看護は在宅高齢者を支える中核となるサービスです。
私たちケアマネジャーが作成するケアプランにおいても訪問看護を中心として組み立てていくことが多いです。
一般的なイメージでは自宅で看取りをする方のそばで体調管理をする人という感じでしょうか。
もしくはかなり重い病気の方向けのサービスという印象でしょうか。
しかし実際は軽い病気の方であったり認知症の方であっても利用している例が多くあります。
利用が出来るかどうかは主治医の判断になります。
現在の病状から定期的な訪問看護が必要と主治医が判断すれば「訪問看護指示書」というものが発行されます。
指示書が訪問看護ステーション等に到着次第サービスが開始されるという流れになります。
訪問看護師さんはまさに医師の代理人といってもいいわけですね。
オールマイティ
仕事内容の一般的なイメージは検温、血圧測定、点滴の管理・・・といった感じでしょうか。
実際の仕事内容はオールマイティ、すなわちでも何でも出来るサービスと言っても過言ではありません。
例えば訪問介護のヘルパーさんはお薬を飲ませることや歩行を目的とした外出は基本的に認められていません。
また訪問入浴にも看護師さんが同行していますが点滴の針交換や痰の吸引などの医療行為は原則認められていません。
一方訪問看護ではこれらの医療行為はもちろん、入浴介助やリハビリ、本人や家族との何気ない会話で不安を解消するなどのサービスが包括的に認められています。
1人3役くらいのスーパーマンですね。
訪問看護のサービスを受けるには、医療保険と介護保険、自費の3つの方法があります。
これらの使い分けはご本人の年齢や病状、介護保険の有無などで変わってきますが、あまりに複雑なので利用者側ではあまり意識せずに訪問看護師や担当のケアマネジャーに相談することをお勧めします。
ケアプランに訪問診療が月2回、訪問看護が週1回入ることでプランの骨格がしっかりする感覚がほとんどのケアマネにはあると思います。
在宅医療を支える訪問看護はうまく利用することで長く健康を維持することができるサービスです。
訪問入浴
自宅のお風呂に入れなくなった方のために浴槽を持参して入浴介助をしてくれるサービスが「訪問入浴」です。
基本的にオペレーターとヘルパーと看護師の計3人がチームで動き、浴槽を積んだ特殊入浴車に乗って1軒ずつ訪問します。
1軒約30分程度の時間であっという間に準備をし利用者を笑顔にしてあっという間に片付け、風のように去っていくという素敵なサービスです。
まず到着すると看護師が体調チェックしている間にヘルパーが床が濡れないようにシートを敷きます。同時にオペレーターが車の機械を操作しお湯を出す準備をします。
すると看護師以外の2人が玄関から浴槽をわっせ、わっせと搬入してシートの上に設置します。
浴槽に車からのホースをつなぎお湯をためている間にヘルパーと看護師が楽しい会話を交えながら脱衣のお手伝いをします。
お湯がたまると寝たきりの利用者さんの場合、2人がかりでお姫様抱っこして浴槽に入れていきます。
体調も考慮して5~10分程度の入浴で洗体、洗髪を行いベッドに戻ります。
看護師が着衣のお手伝いをし体調チェック。同時進行で浴槽の片づけを行います。
3人でご挨拶をして退室するまでの工程が約30分という衝撃!
初めて訪問入浴を目の当たりにするほとんどの方が驚きのあまり開いた口がふさがりません。
全く無駄のない動きでまるでマジックを見ているかのようです。
笑顔になる
訪問入浴というサービスは「清潔を保ち皮膚を清潔にして病気を予防する」という目的が大前提として存在します。
とは言うものの、それ以前に「利用者さんに気持ちよくなってほしい」という周りの人たちの願いが存在しています。
いかんせん、その願いと裏腹にご本人自身が気が進まない、というような状況にもよく直面します。
「お風呂に入って気持ちよくなってほしい」と家族は思っていても本人はなかなか・・・
そんな時も訪問入浴の3人が上手に入浴を促してくれます。
ご本人が認知症のために入浴の必要性を理解していただけない場合にも一生懸命にお風呂の気持ちよさを時間ぎりぎりまで伝えてくれます。
「お風呂に入れば100%笑顔になってくれる」という信念が彼らの原動力になっているのですね。
重い機材を3人で分担して運ぶことが多く他のサービスと比較しても体力的につらい仕事です。
お風呂好きな日本人には欠かせないサービスです。
利用料
介護保険の訪問看護の利用料は訪問時間によって変わってきます。
30分未満のサービスでは負担割合1割の方で1回約500円が基本サービスになります。
この他にも追加のサービスがあり「緊急時24時間対応」が月額約600円で追加できます。
訪問入浴の利用料は時間に関係なく1回約1,300円になります。
3人での訪問になるためやや高めの料金設定になっています。
浴槽に入らずに体を拭くだけのサービスの場合は上記利用料の1割引きになります。
訪問看護は健康を守り、訪問入浴は笑顔を守る。
どちらも在宅介護に欠かせないサービスです。


