スズメ

つらつら考えるにスズメはなんでこんなにかわいいんだろう・・・

あのしぐさ? ほっぺの黒斑? シルエット? さえずり声?

私にとっては全部と言えば全部な訳です。

私は野鳥全般が好きなのですがやっぱりスズメは特別なのです。

外出しているときにスズメが水たまりで水浴びをしているところに遭遇すると一日中幸福感が続きます。

さらに砂浴びをしているシーンを見かけたときなどはスズメが飛び去るまで木の陰で見ちゃいます。

スズメには砂浴びという習性があって羽を広げて地面にこすりながらパタパタするのです。

これが生まれたてのスズメがエサをねだるしぐさに似て気絶するほどかわいいのです!

あと冬に羽毛を膨らませてまんまるになったスズメも爆発的なかわいさです。

これらのシーンは街中で遭遇できれば一日中でも見ていられる自信があります!

ヒヨドリ

スズメはカワセミやエナガなどのアイドル的野鳥とは違いとても身近な野鳥です。

昔話にもよく登場もするため子供たちも名前を知っているくらい一般的な鳥です。

でも警戒心が強く意外と近くで観察できることは少ないですよね。

自宅で野鳥と触れ合うことができる場所といえば「ベランダ」、戸建てであれば「縁側」ということになります。

私は自宅のバルコニーで野菜を育てていますがその中のブロッコリーに毎年ヒヨドリがやってきます。

他にもいろんな種類の野菜を育てているのですがヒヨドリはブロッコリーの柔らかいところだけを食べるんですね。

それを室内のリビングのカーテン脇からそっと見ているのが幸せなのです!

もちろん丹精込めて育てたブロッコリーも大切なのですが同じくらいヒヨドリの観察も大好きなので「追い払いたい」と「もっと見ていたい」との葛藤の中で結局最後まで見ちゃうんですね。

結局毎年全部のブロッコリーが坊主になってしまいます。

まさに芥川龍之介の「地獄変」の世界です・・・

縁側の思い出

私が子供の頃は戸建てに住んでいたため縁側が野鳥との触れ合いの場でした。

あれは小学校の低学年くらいだったと思います。スズメを捕まえようとしました。

でっかいザルをさかさまに置いて10メートルくらいのひもをくくり付けた鉛筆でザルの片方を持ち上げてその下にお米を置いておきます。

スズメがお米をついばみに来たらタイミングよくひもを引っ張るとザルが閉じスズメがつかまる・・・という夢のようなシステムなのです。

ところがこれ、絶対につかまらないんですね。

まずほとんどのスズメがお米までたどり着かないという小学生には刺激的な結末!

ザルの手前までは来るのですがそこでじっと考えて飛び去って行くのです。

中にはじっと考えた後にザルの上に飛び乗りザルを閉じるという荒業に出るスズメも登場しました。

野鳥というものはこんな低レベルなシステムにつかまるほど愚かではないと体験学習しました。

愚かといえば食事もせずに朝から晩までひもを持って寝そべっていた子が最大の愚か者でした。

絶滅危惧種

先日環境省の鳥類分布の調査結果が20年ぶりに発表されました。

全国約二千か所を調査して鳥の個体数を調査したものですが、20年前には3万羽いたスズメの個体数が2万羽に激減していました。

お米などの穀物農地の減少など生息環境の変化が原因と言われています。

同時に環境省からは「スズメを将来的に絶滅危惧種に指定する可能性」という悲しい意見も出されています。

日本人にはお馴染みの鳥にトキという野鳥がいます。

トキは江戸時代には日本中の田んぼにいる一般的な鳥だったそうです。

それが乱獲と環境変化のためにあれよあれよという間に数が激減し1981年に佐渡にいた最後の5羽を捕獲保護した瞬間に野生のトキは絶滅しました。

関係者の努力で2008年に大切に育てた10羽のトキが再び大空に放たれました。実に27年ぶりに「野鳥」に戻ったわけですね。

絶滅するのはあっという間です。心して大切にしていきたいものです。

ある小さなスズメ

『ある小さなスズメの記録(クレア・キップス、梨木香歩訳、文藝春秋)』という本があります。

第二次世界大戦下のイギリス。ひとり暮らしの老ピアニストと1匹のスズメの物語です。

玄関先で瀕死のスズメを助けたことで一緒に生活するようになったそのスズメが一生を終えるまでの実話です。

戦禍で不安な人たちを喜ばせたり一緒に布団に入ったりピアノに合わせてさえずったり・・・

格調高い文体と感情を抑えた表現で淡々と物語が進んでいきます。

スズメが高い知能を保持していることや感情があること、自分の役割をわかっていることなど驚くべき内容なのです。

このスズメは日本ではあまり馴染みのないイエスズメという種類のスズメなのですが、野鳥全般に対する常識がやさしく静かに覆る作品です。

老後はこんな生活が出来たらどんなに幸せだろうと思える作品です。

作品の内容ももちろん素晴らしいのですが私的には挿絵の写真がたまらないのです。

わずか十数枚の写真なのですが、そのまぁかわいいこと!

スズメの晩年の写真らしいのですが羽毛の感触も暖かさもくすぐったさもこちらに伝わってくる写真です。

私のお気に入りの1枚はピアノを弾いている著者の左手にスズメがとまっている写真です。

ピアノに合わせて一緒に歌っているのでしょう!

もし図書館などで見かけたときはぜひ一度手に取ってみてください。

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