先週のこと。利用者さんのお宅を訪問中に雷鳴がとどろき、突然雨が降り出しました。
「あらー、降ってきちゃったわねー。大丈夫?」
皆さん私が自転車で移動していることを知っているので、行き帰りを心配してくれます。
「あららー、やっぱり来ましたかー」
「カッパは持ってるんですか?」
「それが今日は持ってきていないんですよ。ハハハー」
ひと通りお話をした後、ご挨拶をして玄関を閉める。
団地の3階から見える公園の松林は、バケツをひっくり返したような雨で白く霞んでいる。
さてさて、もう1件訪問がある。どうしたもんかなー
突然の雨に困り果てる自分もいる一方、こんなありふれた日常を送ることが出来ることに感謝している自分もいるんです。
あー平和だねー
雨はますます強くなっている。
龍神来
雨というものは、私にとって決して嫌な存在ではありません。
生まれてこの方、あらゆるイベントには雨が付きまとってきました。
若い頃は雨が降るたびにイヤな気持ちになっていましたが、発想を転換することでイヤな気持ちはなくなりました。
「イベントには雨が降るものなのだ」
そう考えることにしたのです。そしてもう一つ大事な考え方があります。
「雨の神様は自分のことが好きなのだ」
そう思うことなんです。
好かれちゃったらしょうがないよねー、ありがと! という感じ。
雨の神様は「龍神」とよく言われます。あー龍が来たかー! という感じ。
前方の松林はますます白く霞んでいます。
自然と生活
年齢を重ねてくると、自然とともに生活することに小さな喜びを感じるようになります。
日の出や日の入り時間の少しの違いや、ほんの小さな季節の移ろいにも幸せを感じるようになります。
若い頃はとかく変化を求めてしまいますが、歳をとると自然のリズムに則った不変のものに尊さを感じるようになるのかもしれません。
日の出とともに仕事をして、日の入り後には就寝する。
雨が降れば仕事を中断し、疲れたら今日の仕事はおしまいにする。
遅れた分は明日からの仕事で取り戻す。
最低限の生活が出来るだけの仕事をして、それ以外は決して無理をしない。
今日はいつもより頑張ったから、明日に備えて早上がりしよう!
・・・そんな毎日を送ることが出来たなら、少しでもそんな生活に近づけたなら・・・
団地の3階からの雨を眺めながら、そんなことを考えていました。
雨に走る
次のお宅への訪問時間が迫っている。そろそろ出発しないと。
でももし訪問時間に遅れても、あのお宅なら「雨大変でしたね」といってタオルを出してくれるだろうなぁ。ありがたいことだ。
よし行くか! 団地の駐輪場まで走る。バッグを頭に乗せて走る。水たまりを避けて走る。
やっと駐輪場までたどり着き、派手に濡れたズボンを叩く。
もう少しだけ、ここで様子を見るか。あと3分・・・いや1分だけ・・・
雨宿りをしながら空を仰ぐ。ちょっとだけ幸せな時間だ。
龍神さん・・・もうそろそろいいんじゃない?
すると一瞬、雨音が弱まった気がしました。お!行けるぞ!
急いで自転車を引っ張り出し、ここから10分のお宅に向かう。
雨は嫌いじゃないよ・・・自転車をこぎながら空に向かってつぶやきました。


