白河の関と城/2

新白河駅から車で白河の関跡を目指す。

駅周辺はビルや民家がひしめいてる感じではなく、適度に駐車場や更地が登場することで圧迫感がなく視界が良い。

すれ違う車もほぼなく、徐行のまま街を抜けていきます。

新白河駅を含むこの周辺はどうやら福島県白河市ではなく「福島県西白河郡西郷村」と言うらしい。「さいごう」ではなく「にしごう」と読むようだ。

なるほど「村」だとするとかなり「都会な」村だと思ってしまう。新幹線の駅があることが村を発展させているのだろうか。

東北本線を足元に、東北新幹線を頭上に横切る。途中、ところどころにとんでもなくでかい施設やら工場やらが登場します。

すると突然片側3車線の大きな国道に合流。これは国道289号線のようだ。

道路の両側にはファミリーレストランやドラッグストア、大型スーパーなどが次々と現れる。地方都市によくある風景だ。

しまった・・・遠回りしても自然の中を走るべきだったかな、と少し後悔しながら車を走らせていました。

ところがあっという間に片側1車線となり、右側は森林、左側は田んぼという願ったりかなったりの風景が広がってきました。

5月の空

どこまでもまっすぐな道路を東に向かって走る。このまま青空に上る滑走路のようだ。

気づくとここはすでに「福島県白河市」に入ってるみたい。いったいどっから入ったんだろ?

左手にいい感じの公園が見えてきた。庭園風の樹木の隙間から大きな池が見えています。

なるほどこれが「南湖公園」だ。白河藩主・松平定信(まつだいらさだのぶ)が造ったと何かで読んだことがある。

松平定信・・・習ったねー、何かの改革した人だ。享保の改革? 天保の改革? 寛政の改革?

中学時代から全く改革されていない自分に感心しつつ、国道を南にそれ白河の関跡に向かう。

初めのうちは民家や工場らしきものが点在していましたが、徐々にまばらとなり両脇は森と畑になっていきます。

『国指定史跡 白河の関』と言う看板が見えてきました。おーここかー!

白河の関跡は「白河関の森公園」として市民の憩いの場として親しまれているようです。

公園の駐車場に車を停める。風薫る5月の空にツバメが数羽舞っています。

松尾芭蕉

公園内には芝生の大広場があり、その上には数十匹の鯉のぼりが縦横に泳いでいました。

公園の横には軽食が食べられる売店が並び、公園との境には小川が流れています。

小川にかかる小さな橋をジグザクに縫いながら広場を抜けると小さな銅像が見えてきます。松尾芭蕉(まつおばしょう)とその弟子曾良(そら)の銅像です。2人で来た『奥の細道』ですね。

現代人からすると、白河の関と松尾芭蕉とはそんなに時代が変わらない気がするんですが、どうやら白河の関は平安時代、松尾芭蕉は江戸時代なので5世紀ほどの違いがあるんですね。

芭蕉が訪れた時にはすでに関所は跡形もなく野原となっており、もはや伝説の場所と化していたわけです。

芭蕉が『白河の関にかかりて旅ごころ定まりぬ』と奥の細道に記したのが「1689年新暦6月8日」。芭蕉が憧れた歌人たちが詠んだ「白河の関」にたどり着いたことへの喜びが感じられます。

憧れだった500年前の伝説の場所を尋ねた松尾芭蕉の足跡を、今度は300年後に私が訪ねているという構図。なんか壮大で遠大すぎてため息が出ます。

銅像を過ぎた先には白川神社の周囲を取り囲むように遊歩道が整備されており、その北辺歩いてみることにしました。

進行方向左側の神社方面は小高くなっており、右側はなだらかに下がった先に田んぼが広がっている。それは城跡の空堀を思わせる構造。

両側を空が見えないくらいの杉の巨木が取り囲んでいましたが、不思議と圧迫感はなくゆったりとした時間が流れます。

すると唐突に左側に急な坂道を上る細い道が現れる。位置的に白河神社の裏手に通じる通路のようです。

優勝旗

坂を上るうちに徐々に神社の全景が見えてきます。思っていたよりも立派な社殿。雰囲気からもっと古いものを想像していました。

「白河神社」・・・西暦135年に鎮座。歴史上の人物の参拝祈願がすさまじく、1053年に源頼義・義家、1184年に源義経、1189年に源頼朝が参拝しており、1615年には伊達政宗が社殿を寄進しています。

江戸時代にはもうすでに白河の関がどこであったか知る人もなく、関所の位置も不確かなものでしたが、1800年に白河藩主・松平定信が歴史考証を重ねた結果「白河の関は白河神社の境内である」という断定しています。

その証明が神社から石段を下った位置にある「古関蹟碑」としていまも残っています。

神社で静かに手を合わせ、目を閉じると野鳥のさえずりが耳に心地いい。

さてと、ふと社殿の中を見ると何やら旗のようなものが見えていました。よく見てみると「全国制覇おめでとう! 仙台育英高校 第104回全国高校野球選手権大会」と書かれていました。おっ!

あーニュースで見たやつだ。ついに優勝旗が白河の関を越えたかー、東北人には感慨深い。

神社の境内にはそうそうたる歴史上の人物のゆかりの物が数多くあり、見ごたえ十分、満足して車に戻りました。

時計を見ると11:10。予定を大幅にオーバーしてる! でもこの近くにもう1か所見たいところがあるのだ!

福島県と栃木県の県境、そこに素敵な神社があるんだとさ!

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