白河の関と城/1

久しぶりに旅行でもしようかな、そう思ったのは4月の上旬でした。

大型連休中にどこかゆっくりできるところに行ってみようと思い、白羽の矢が立ったのが福島県白河市でした。

ザ・観光地!って感じのところは、なんとなーく回避したかったのです。

白河といえば・・・白河の関。それ以外は・・・何があるんだろう?

まずは行ってみるかー! ということでさっそく前回の長野県上田旅行と同様、JR東日本のえきねっとでチケット予約。

4月の上旬の予約でしたが、大型連休ど真ん中にしては空席が多く、あっさりと席を確保できました。

私が東北新幹線の下り列車に乗る場合、アクセス方法として新宿駅から「東京駅」に向かうか「大宮駅」に向かうかの2択になります。

東京駅に行くのが王道なのですが、ちょっとした近道感と交通費の安さも手伝って最近は大宮駅から新幹線に乗ることが多いです。

この日もいつも通り湘南新宿ラインで大宮に着くと、新幹線の改札に向かう途中でなんだかすごい行列を発見しました。

またなんかおいしいお店でも出来たかな・・・と思いきや、なんと改札に並ぶ人の行列! 100人以上はいるぞ!

まずい! 出発時間まで5分しかない!

ロングノーズ

えきねっとのeチケットで特急券を購入すると、自分のスマホにあるモバイルPASMOにチケット情報が紐づけられ、スマホをかざすだけで改札を通過できます。

今回これを買っていたおかげでギリギリ乗車時間に間に合いました。大宮駅でチケット交換をしていたら乗り遅れるところでした。

結局何が原因で改札に行列が出来ていたのかわからずじまいでしたが、大型連休は決して侮れない! と再認識。

今回乗車したのは08時09分大宮駅発の「やまびこ205号」。E5系の新幹線車両で上半分がグリーン、下半分がホワイトでその中間をピンクのラインが走るデザインです。

予約時はさほどでもないと思っていましたが、ホームには人があふれかえっていました。

新幹線の先頭車両が滑るように顔を見せる。その顔はロングノーズと言われる形状。んーなんかに似てるぞ・・・カモノハシ? アリクイ?

無事座席に座り周囲を見回すとほぼ満席。荷物を落ち着かせる間もなく新幹線は滑るように走り出す。

実はこの瞬間が東京駅との大きな違いなんです。

東京駅は始発駅なので乗り込んでからの時間が長く、コートを脱いだり荷物を荷台に上げたり、ホームの売店に戻ってホタテの干し貝柱と缶コーヒーを買ったりできます。

この時間によって旅行のワクワク感が徐々に盛り上がるんですが、大宮駅にはこの時間がなく少し物足りないんですね。

感情があふれる

東北新幹線・・・私には特別な響きがあるこの路線は、人生の節目に必ず登場してきました。

考えてみれば、この車窓の風景も人生のターニングポイントで必ず見ていたものです。

風景のディテールは変わっていても、この感じ・・・この空とか田んぼなどの色合いは30年前と全く変わらないんですね。不思議なものです。

この路線をこれまで何度往復しただろう・・・この風景を見ていると、なんとなく胸が苦しくなるのはなんでだろう・・・

何かの感情を胸に抱いて上京し、何かの感情を持って帰省する。その感情を思い出すのだろうか。

それとも両親ともにすでに亡く、故郷への足が遠くなったことへの後ろめたさがあるのだろうか。

複雑な胸の内を知ってか知らずか、外は晴天の青空が真っ白な雲を浮かべ、ときおり鯉のぼりが視界をかすめていきます。

「♪~ 次は新白河・・・」車内アナウンスが流れる。もう到着だ。早い。ものの1時間で到着だ。

満席の中、降りる人はほぼいない。みんなさらに北を目指しているようだ。

新幹線のドアが開く。東北の匂いを嗅ぐ。

新白河駅

エスカレーターを折りて行くと、改札を出る前の通路に白河の魅力を伝えるパネルが展示されていました。

白河の関所、小峰城、戊辰戦争・・・なるほど、知らないことばかりだ。

知識は知識として置いておいて、今日は気の向くままに旅をしようと心に決める。

改札を出て駅舎を出る。後ろを振り返り「新白河駅」と書いた駅舎と見て深呼吸。青空にはツバメが縦横に飛んでいます。

駅前には中央に駐車場を配したロータリーがあり、周囲には景観を損ねない低層の建物が建っています。

タクシー以外の車は見当たらず、「のどか」という表現がぴったり。ここに来てよかった!

野鳥の声を聞きながら、ぶらぶらと近隣のカーシェアステーションまで行き、予約していたブルーのMAZDA2に乗りこむ。

徒歩では行けないところを先に車で行こうという計画だ。

車の窓は全開、陽ざしを仰ぎながらサングラスをつける。

まずはそう、白河の関跡を目指そうか!

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