先日、仕事で自転車に乗っている時、お尻の下からバキッという音がしました。
なにやら自転車のサドルがふわふわとして不安定極まりない。
自転車を停めてサドルの下を見てみると、サドルの下にある鉄製の2本のレールの1本が折れていました。
こんな太い鉄棒が折れるのか! と驚きましたが、約2年半のあいだほぼ毎日乗っていたらしょうがないか・・・
もしもう1本のレールが折れたら事務所まで立ち漕ぎで帰らなければならないため、お尻を半浮かし状態でペダルを漕ぎ恐る恐る帰りました。
事務所に戻り、さっそくネットでサドルを探す。あるわあるわいろんな種類がある。
3千円程度のスポーツ用の物を注文。明日到着のようだ。
翌日は休日だったため自宅でサドルを交換。新しいサドルはなかなか気分が良いものです。
位置がよくわからないため、またがった感じで適当に位置を決めてネジを締めこんでおきました。
さて週明けの朝。いざ出発!・・・あれ、なんか違和感があるぞ。
走っては停まり
かと言って、いったん降りてサドルの位置を直すほどの大事でもない気がする。
なんというか、お尻の座りが悪いというか、当たりどころが悪いというか。
とりあえず事務所までは我慢するか・・・とやり過ごしては見たものの、片道30分の間にお尻が痛くなってしまいました。
これは早めに手を打つ必要があると思い、次の外出から調整を始めることにしました。
サドル調整の難しいところは、またがった時はいいと思ってもしばらく乗っていると「?」となることです。
実際に5分くらい乗ってみないと、良し悪しがわからないのです。
そのためベストな方法としては、1時間くらい連続で走りながら「気になったら調整」を繰り返していくことになるんですね。
そんな訳で、その日からポケットに工具を忍ばせて外出するようになりました。
走っては停まり → 公園ベンチ →走っては停まり → 公園ベンチ
結局サドルの位置が落ち着いたのは、その日から3日目、だいたい10回くらいの調整を経たあとでした。
1°の違い
そこで気づいたことは、ほんの1mmのズレでも違和感を感じるということです。
サドル下のレールにはミリ単位のメモリが付いているのですが、そういうことか! と納得させられます。
また坂道を登るのに適したポジション、下るのに適したポジションなどもあり、普段の走る環境にも合わせる必要があるようです。
そして盲点だったのはサドルの角度です。
前後の位置をようやく合わせても何かしっくりこないのは、サドルの角度が間違っているんですね。
公園のベンチで頭を抱えていた時、ふとスマホのアプリに「水準器」があることを思い出しました。
アプリを立ち上げ、スマホを横向きにサドルに置くと「0°」と表示。おーすげー! このアプリはチャリダーのために存在していたのか!
ネジを緩めて少し前側を下げると「ー1°」と表示される。またがってみるとイヤイヤ違う。もっと乗りづらくなった。
今度は前側を上げてみる。「+1°」と表示。またがってみる。「お! これだ!」
たった1°の違いで雲泥の差なんです。
正解の道
人生においても、「ちょっとずれる」ことがよくあります。
ある職業に就きたくて専門の学校に入ったが、そこで見聞きした他の職業に興味がわいてしまい結局その職業に就いてしまった。
目的の旅行先に行こうと乗っていた電車を途中下車してみたら、人生を変える出会いがあった。
こんな話、よく聞く話ですね。
でもこれってその選択が「正解」だと思うんです。ずれて正解だったと思うんです。
もしずれないままだったとしたら、おそらくお尻の座りが悪く、落ち着かない時を過ごすことになっていたんではないかと。
人生の分岐点では、どちらの道が正解かは決してわかりません。というかわからないように出来ているんです。
なぜなら、自分が選択した道の方が「正解」になるからなんですね。
だとしたら、ちょっとした違和感、1mmの違和感を感じた自分を信じて選択すればいいんだと思うんです。
そして選択を間違ったと思ったら、もう一度やり直せばいいんです。何度でもやり直せますよ。
昼下がりの公園のベンチ、自転車のサドルを眺めながら、ボーっとするひととき。
ヤマモモの甘酸っぱい匂いを感じながら、次の目的地に向かいました。


