最近、玄関先で忘れものに気づくことが増えてきました。
多忙のせいか、歳のせいか、まあどっちにしろ対策をせねばなりません。
事務所から出かけようと靴を履く・・・あっ、とここで忘れものに気づく。というパターンがいちばん面倒くさいわけです。
いわゆる「靴を脱ぐか否か」問題です。
この場合いくつかの流派があり、「絶対脱ぐ派」「ひざ派」「かかと派」が主なものだと思われます。
本来望ましい形はもちろん「絶対脱ぐ派」であることは間違いないんですが、そうは言ってもねぇー、革靴の靴ひもとか面倒だし・・・
私が子供の頃は「ひざ派」でした。
「ひざ派」:靴を履いたまま膝をつき四つんばいで靴を上に上げたまま忘れものをゲットし玄関まで戻る、という技を繰り出す流派。
しかしこれ、当時の私の家が畳の床だったから通用した技であり、事務所のようなフローリングの床では膝が痛すぎて出せない技。
なるほど、洋室が増え和室が減っていくにつれて「ひざ派」は絶滅危惧種になっていくわけですね。
シューズカバー
一方、「かかと派」の存在も見逃せません。
「かかと派」:靴のかかとのエッジ部分のみを使いつま先を上げながらペンギンのように歩き忘れ物をゲットして玄関まで戻る、という技を繰り出す流派
ちょっとくらい汚れてもいいところ、たとえば学校のようなところではいまだに主流派だと思われます。
学生時代、放課後の校舎を覗くと部活のユニフォームを着たペンギンの集団をよく見かけたものです。
でもさすがに自宅で使うのは躊躇せざるを得ず、結局床の掃除をするはめになる。
そう考えると、ひざもかかとも有効ではないという結論に落ちつくわけです。
そこで考えたのが「シューズカバー」を使うという方法。
「シューズカバー」:よく刑事ドラマで見かける鑑識が現場検証時に履くビニール製の使い捨て靴カバー
実はこのシューズカバー、私の仕事バッグに常時入っているものです。
私の仕事柄、床が汚れているお宅に訪問することもあるので常備しているマストアイテムなんです。
Xデー
やり方はこうです。
靴を履いた後に忘れものに気づいた時、玄関にあらかじめ置いておいたシューズカバーを靴のまま履いてそのまま室内に戻り忘れ物をゲットするもの。
なんて画期的なんだろう! すばらしい!
さっそく玄関の靴箱の隅に1足分のシューズカバーを忍ばせ、来たるXデーに備えていました。
その日は突然やってきました。靴を履いて出かけようとドアを開けた時、書類を1つ持ち忘れたことに気づきました。
あれっ、あの書類どこやったっけ? などとブツブツ言いながら普通に靴を脱ぎ、書類を持って再度靴を履き直していました。
しまった、シューズカバーの存在を忘れてた! 惜しい機会を逃した・・・
次のチャンスが到来したのはそれから1週間後。留守番電話にするのを忘れて靴を履いてしまいました。
待ってましたとばかりに下駄箱を開けてシューズカバーを取り出す。たのしみー
右、左と履く。おっと結構コツが必要なのね。こりゃ意外と履きづらいぞ。
罪悪感
なんとか左右のカバーを装着し、急いで事務所の中に入る。
ゴツッ! すごい音だ! 革靴なのでフローリングを歩くとかなりの音がする。こりゃ急げないぞ。
ゆっくりと忍び足で歩く。ミシッ・・・ミシッ・・・ようやく電話機までたどり着き、留守電のボタンを押す。
「ただ今留守にしております。ピーという音・・・」
留守電のメッセージを背中に聞きながら、ミシッ、ミシッっと忍び足で歩いているとなんか変な気分になってくる。
何だろう、この罪悪感・・・なんか、とんでもない、ワルいことをしている気がする。変な汗かいてるし。
何かにせかされるように玄関で両足のカバーを外す。なんか手が震えている。何で!?
玄関から出て鍵を閉める。なぜかきょろきょろと周囲を見回す。いやいや何で!?
この日以来、私は「絶対脱ぐ派」です。
やっぱり忘れ物はしないようにすることこそが肝要ですね。


