前回は春野菜スタート(1)として、わがバルコニー農園で2022年に植えつける野菜のお話をしました。
家庭菜園が楽しくなってくると、どんどん栽培する野菜の種類が増えてくる時期が訪れます。
あれもやりたいこれもやりたい! 手当たり次第に苗を買ってきてチャレンジしたくなる頃ですね。
でもそのワンパク期を過ぎると、徐々に自分の得意な野菜や苦手な野菜がわかってきます。
少しずつ野菜の種類が絞られていき、定番の野菜と1、2種類のチャレンジ野菜を買うようになっていきます。
今回は春野菜スタート(2)として、定番のラインナップをお伝えします。
ナス
これだけは毎年うまくいかず、満足のいく収穫を終えた年はありません。
他の野菜と比べて多く日差しと風通しを必要とするため、隣同士が密集したバルコニー農園では栽培がとても難しいんですね。
ナスの実のなり方には規則性があり、1本の枝に2枚の葉っぱが付くと次に1つの花が咲き、その花がナスの実になっていきます。
多くの実を収穫するためには、葉⇒葉⇒花⇒葉⇒葉⇒花と2つ目の花が付いたら次の葉の先で枝を切ってしまいます。
そしてその花がナスの実となり2つ目の実を収穫したら、2枚目の葉の先で枝を切ってしまうんです。
すると残った2枚の葉のわきから新しい芽が出てくるので、その枝でも同じように2つの実を収穫する・・・を繰り返していくんですね。
1本の枝からの収穫を2個に抑えることで、全体的にバランスよく栄養を送ることができてたくさん収穫できるようになります。
毎日の手入れが必要な高度な技! ですね。
ピーマン
苦手なものもあれば、得意なものもある・・・ピーマンは毎年250個程収穫するお得意様です!
ピーマンもナス科の野菜。規則性をもって花が咲き、実をつけるのはナスと同じです。
ピーマンは苗が成長して10枚程度の葉っぱをつけると花をつけます。
するとその花の部分から2つの枝に分岐して、さらにその先で花をつけて分岐する、を繰り返して成長していきます。
そのままではどんどん茂っていき、日当たりが悪くなり、かつ栄養が分散されて収量が減るんですね。
そこで枝を間引いて風通しを良くする作業が必要となります。これを「整枝」と言います。
ピーマンは花が咲き2枝に分岐すると、片方が太くもう片方が細いという性質があります。
この細い方は内側に向くことが多く密集の原因となるため、この細い枝を切っていくと程よく日が当たり収量が上がります。
ピーマンは初心者でもある程度の収穫が見込めるため、栽培が楽しくなる野菜です。
大量消費のためにレシピを増やす、そんな副産物も楽しめます!
ゴーヤ
緑のカーテンとして有名ですが、私は毎年大量収穫を目指します。
ゴーヤの大量収穫の秘訣は「摘心(てきしん)」にあります。
苗がある程度成長したところで苗の先端、生長点をハサミでカットします。初めてやる時は手が震えます!
するとその下の葉っぱの脇から新しい芽(わき芽)がどんどん成長していきます。これが「子づる」。
このわき芽を成長させて、また生長点をカットした後の出てくる芽が「孫づる」になります。
孫づるを上からつるしたネットにまんべんなく這わせて、たくさんの雌花を咲かせるのがポイントです。
トマトやピーマンなどのナス科の植物は、一つの花に雄しべと雌しべがあり、花粉が雌しべに付くことで受粉(自家受粉)します。
なつかしー、理科ですねー。
一方、ゴーヤやスイカなどのウリ科の植物は、雄花と雌花が別々に咲くため(雌雄異花)、基本的に受粉が必要になります。
一般的な畑で家庭菜園をしていれば、ハチくんなどの虫たちが受粉を手伝ってくれますが、私のようなマンションの高層では虫があまり飛んでこないため受粉されません。
そこで人間が雄花を取って雌花に花粉をつけるという「人工授粉」をする必要があり、これが収穫量を格段に上げるんですね。
夏場は毎日出勤前に「人工授粉」。せっせとやってます。
小玉スイカ
ゴーヤのように簡単に人工授粉ができる野菜もあれば、スイカのように受粉ができるとガッツポーズをする野菜もあります。
スイカの雌花は雄花よりも圧倒的に登場回数が少なく、雌花が咲いただけでもテンションが上がります。
受粉の難易度も非常に高く、「晴れの日」「朝10時まで」「当日咲いた雌花に当日咲いた雄花を」などの条件がそろわなければほぼ受粉しません。
受粉が成功すると翌々日くらいから実が膨らみ始めます。直径1cm程度のスイカの模様をしたスイカの赤ちゃんが大きくなり始めます。うれしー!
あとは受粉した日にちを紙テープに書いて雌花の下に巻き付けておきます。35日後が収穫の目安です。
このままスクスクと成長し収穫を待つのですが、注意点がひとつだけ。
「落とさないこと」
当たり前のことですがこれに尽きます。何度やらかしたことか・・・
通常のスイカ栽培は「地這い栽培」といってツルを地面に這わせて栽培します。
ご近所に畑がある方は、隅っこに藁を敷き詰めてツルが這っているエリアがあるのを見かけたことがあると思いますが、あれはスイカの栽培エリアなんですね。
ただ私のようなバルコニー農園では場所が限られているため「空中栽培」という方式で栽培します。
これは、みなさん小学生の頃に学校で朝顔を栽培したと思いますが、その時に使った「あんどん支柱」を使って、スイカのツルを上に巻き上げていくという、ややアクロバティックな方式で栽培します。
この方式で栽培すると当然スイカの実が地上50cmくらいの位置にできるため、ハンモックを作ったりネットでつるしたりして成長させていきます。
ところが・・・落とすんです・・・成長途中に・・・私だけ?
割れたスイカを片手に記念写真を撮るときの悲しさったらもう・・・
自然のリズム
植物を栽培していると、しばしば一定の規則性に出会います。
それは自然の規則であり、自然のリズムともいえるものです。
これを知った上でそのリズムに合わせた生活をしていくと、自然と同期した不思議が感覚になります。
人間も自然の一部という、都会では普段感じられない感覚を味わえるんですね。
次回は「春野菜スタート(3)」をお送りします。


