今年も残すところあと数時間となりました。
やり残したことはないか、などと考えるまでもない。
むしろやり遂げたことはあるか、と考えたほうがいいのは毎年のことなのでもう慣れました。
あれもこれも今年も出来なかった・・・そんな思いは今年も一緒です。
ところが今年は1つだけ達成できたことがあるんです。
「日記」です。
日記を1年365日間、1日も欠かさず書き続けました。
私は人生の中で連続して日記を書いたことはほぼなく、あえて言うなら小学生時代の絵日記くらいなもの。
そんな私が1年間書き続けたって言うんですから、それはそれはスゴイことなわけです。
1年間の内容をパラパラとめくってみると、大小さまざまなことが書かれています。
アウトプット
ところでこの「日記」というもの、何の目的で書くものなんでしょう?
私は日記とは無縁の人間だったので、他人と日記について語り合う機会がなかったのです。
一般の日記族の方々は、何か目的を持って書いているのでしょうか。
例えば「5年日記」を愛用している方であれば、何年か後に読み返すことを楽しみにしているのでしょう。
同じ日付のページに1年前から4年前までの日記が書かれているため、当時の自分の行動や考えがわかります。
このように過去の自分を振り返ることを目的としている人もいれば、私のように読み返すことを想定していない人もいます。
私の場合、1日の出来事と感想、考え、想いなどを書き出すことだけを目的としています。
将来的に読み返すこと想定していないため、走り書き、むしろ殴り書きと言ってもいいくらいのひどい字です。
翌日に読み返してみても、なんて書いているのかわからないこともあるくらい。
つまり私の場合、アウトプットが終われば目的達成なのです。
年が変われば捨てるための「日記」なのです。
日記といふもの
『土佐日記』 平安時代の文学作品です。
男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり。
有名な一文から始まるこの作品、日本一有名な日記です。
平安時代、京都在住の紀貫之(きのつらゆき)が60代半ばで土佐国(現高知県)に赴任を命じられて現地に赴く。無事任期を終えたあと、土佐国を出発した日から京都に到着するまでの55日間の出来事を書き記した旅行日記です。
ちなみに紀貫之は男性なわけで、なぜ冒頭の「女もしてみむ」と書いたのかは諸説あるようです。
有力な説としては「仮名文字を使いたかったから」説。
当時の日記というものは男性官僚が中国伝来の「漢文」で書くのが普通であり、「日記」と言うよりは「記録」という色合いが強いものでした。
そのため当時は女性しか使っていなかった日本独自の「仮名文字」をあえて使うことで、過去にない自由な表現作品にしたかったという説です。
つまりこの作品は他人の目に触れること、そして後世に残ることを想定している「日記」と言えるのです。
心から笑う
『アンネの日記』 日記ということで忘れてはいけない世界一有名な日記です。
第二次世界大戦中、一家でナチスの迫害から逃れて隠れ家に住んでいた当時13歳だったアンネ・フランクがお父さんからプレゼントされた日記帳に書いた2年間の日記です。
その中には日々の出来事や感じたことを包み隠さずに素直に書き綴っています。
そして全編を通してアンネの将来の夢や希望、人の善意や信頼が何度も出てきます。
薬を10錠飲むよりも、心から笑った方がずっと効果があるはず(『アンネの日記』アンネ・フランク)
アンネの前向きで素直な性格が一番表れている文章です。
私たち後世の人間には、アンネ自身の将来の夢や希望が叶わなかったという現実を知っているため、涙なしでは読めない作品となっています。
ただし、ひとつだけアンネの夢が叶ったことがあるんです。
それは、『アンネの日記』が出版されたこと。
この日記は人の目に触れるのを想定していない日記と思われがちですが、実はアンネ自身はジャーナリストになりたいという夢を持っており、将来出版することを望んでいたと言われています。
そのアンネの夢を、戦後に家族の中でただひとりだけ生き残ったお父さん、アンネに日記帳をプレゼントしたお父さんが叶えてあげたのです。
丁寧に書く
お歴々の日記道における大家の話の後に私の日記を読んでみる。
一番短いヤツは・・・どれどれ・・・
「AMのみ出キン。コラムの半分だけ作成」
小学生か!
やはり諸先輩方を見習って、誰かに読まれてもいいように書くべきか。
そうすればもっと丁寧に書くだろうし、内容も濃くなるんだろうし。
でもそうなると人の悪口とか絶対書けなくなる。毒を吐けない日記なんてキムチのない盛岡冷麺の如し。
よし! 来年の目標は「読める字で365日間日記を書く(毒は吐いてよし)」にしよう! 目標は低めがいい!
今年も1年間コラムにお付き合いいただいた皆様、本当にありがとうございました。
このコラムを目にしたすべての皆さまに、来年はいいことがありますように・・・


