数年前のこと。
私は東京都区内の環状8号線沿いにある事務所に勤務していました。
当時は事務所の責任者をしており毎日夜遅くまで仕事をしていました。
いつものように事務所の鍵を閉め最寄駅に向かって歩いていました。
すると前方から歩いてくる人影があります。
環八と言えば首都圏の大動脈で夜遅くなっても車が途切れることはありません。
ただこの周辺は夜に人出がある事はほとんどありません。
徐々に近づいてくる人影が中年のおじさんであること、労働者風であること、またかなり酔っ払っていてブツブツ何か独り言を言っている事がわかりました。
片手にお酒と思しき缶を持ちかなりの千鳥足でしたが攻撃をしてくる感じでは無いと本能的に判断し何事もなくすれ違いました。
その瞬間、どこかに人の気配を感じたと同時に、なぜか私は彼の飲んでいるお酒の銘柄が急に知りたくなり、すれ違いざまに横目でビールの銘柄を確認しました。
そこには「ALL-FREE」と書いていたのです。
ALL-FREE
ご存知の通り「オールフリー」はノンアルコールビールです。
そこで湧いてくる疑問。あの状況は一体何だったんだろう?
考えられるいくつかの選択肢があります。
1.居酒屋で浴びるようにお酒を飲んだ帰り道に自動販売機で口直しにオールフリーを買った。
2.公園で自動販売機のビールを浴びるように飲んでいたら売り切れになってしまい隣にある別の銘柄を買ってみたらオールフリーだった。
3.お酒を家族に止められているためオールフリーの空き缶に焼酎詰めてカモフラージュしている。いやいやノンアルコールですがなにか! 的な。
4.テレビのドッキリだったが私の反応が薄かったためスルーされた。
5.役者志望のおじさんで酔っぱらいの演技を極めていた。
後からジワジワ
このような出来事は人生でごく稀に経験することがあります。
時が経ってから「あれって何だったんだろう」とか「あの状況っておかしくない?」ということ。
後からジワジワと疑問が湧いてきます。
すると必ずあの時に確認すればよかったと後悔するのです。
今回で言えば、おじさんに思い切って直接聞いてみるという選択肢。
でもちょっと現実的ではないですね。
そこで出てくるお約束の待望論。
「タイムマシンがあったらなぁー」
タイムマシン
タイムマシンなんて夢の話でドラえもんやバックトゥザフューチャーの世界でしょ?
と思うかもしれませんが、そんなSFなお話しではないのです。
現時点で「タイムマシン」は理論上実現可能と言われています。
アインシュタインの相対性理論によれば実現可能なのです。
理論上、物体が移動するスピードをどんどん速くしていくと、どんどん時間の経過がゆっくりとなっていきます。
自転車、電車、新幹線、飛行機、戦闘機、ロケット、とスピードを上げていき、光の速さと同じスピードに到達すると時間の経過が止まるのです!
つまり光速のロケットに乗り込んだ人の腕時計が何時間進もうと地球上の時計は止まったままという事なのです。
つまりつまり地球上の時計で10年後に帰ってきたとすると彼は全く年を取っていないことになります。
つまりつまりつまり、彼は10年後の未来に行ったという事になるわけです。
プチタイムマシン
私たちのに身近なところでもプチタイムマシンは存在しています。
例えば新幹線で東京・博多間を往復すると5億分の1秒だけ未来に行けます。
出張を繰り返しているとちょっとだけ若返っていくんですね。ほんとにちょっとだけ。
「出張若返り術」という特集記事が雑誌に載ってもいいくらいな話です。
現時点の最高速の乗り物は国際宇宙ステーションで秒速約8kmです。
計算をしてみると1年間乗務して地球に帰還しても約0.01秒の未来でしかないのです。
「未来へ行く」は理論上は可能と言っても実現までにはまだまだ先が長いですね。
さて、お気づきのことと思いますが、現時点で理論上でもかなり困難なことがあります。
それは「過去へ戻ること」です。
タイムパラドックス
過去に戻ることは物理学の理論上かなり難しいとされているようです。
「タイムパラドックス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「自分がタイムマシンで過去に戻り自分の先祖を殺してしまった場合自分の存在はどうなるか?」
つまり、自分が殺した先祖がいなくなれば自分はもともと存在しないはずであり、存在しないのであれば先祖も殺されるはずがない、というグルグルと永久に回り続ける矛盾が生まれます。
そう、映画「バックトゥザフューチャー」で自分の両親の結婚の邪魔をしてしまい自分が消えかかってしまうシーンのことですね。
これについても研究している方々がおりいろんな説が生まれているようなので興味のある方はぜひ調べてみてください。
ところで、こんな壮大な物理学理論から酔っ払いおじさんに話を戻すのも大変心苦しいわけですが妄想ついでに・・・
もし過去に戻れたとしたら、おそらくおじさんが飲み始めるところに戻るでしょうか。
現代ではストーカーになってしまいますが過去であれば罪悪感が薄いのはなぜでしょう。
その時点から徹底的にマークしてオールフリーをゲットするまでを確認したいです!
最後にオールフリーを片手に歩いているおじさんを後ろからつけていくと、向こうから私が歩いてくるのです!
自分に絶対に見つからないようにしないと! パラドックスが起きるので!


