利き手

私は両利きです。

何の話? とお思いでしょうが利き手の話です。

両利きって何? と思うのも無理はありません。

おっしゃる通り私の人生でも両利きの人にはほとんど出会ったことがありません。

試しに実際の両利きの生態を列挙してみます。

食事(両)、ハサミ(両)、筆記(両)、包丁(絶対右)、カミソリ(絶対左)

スマホ(左)、投げる(右)、打つ(両)、ドライバー(右)、ギター(絶対右)

ボーリング(両)、サッカー(絶対右)、走り幅跳び(絶対左)、歯磨き(左)、毛抜き(絶対左)

分類分け

一見なんの共通性もなさそうですが、実はある法則のもと体系化できます。

それには私の生い立ちが深くかかわっています。

私の利き手の歴史は以下の通りになります。

~小学生:左利き ⇒ 中学生:右利き ⇒ 高校生~:左利き

という波乱の人生を歩んできました。

どういうことかというと、

「もともと左利きだったものを母親に右利きに直されたが自我に目覚めてまた元に戻した」

という事になります。

そのために本能による細かい作業は「左」、中学校で習得したスポーツ等は「右」になったと推察されます。

食事ハサミ筆記

まず食事なのですが、テレビに夢中になっていたりすると無意識に「左に箸」「右にスプーン」を同時に持っている時があります。

左右交互に口に運んでいてハッとすることがあります。

はたから見ると浜辺のカニです。

ただし牛丼屋のカウンターなどで左端に座ったら左利き、右端に座ったら右利きになれるため便利と言えば便利です。

ハサミについてですが、右利き用のハサミは左手では切れないという事をご存じでしょうか?

ハサミは人間工学に基づき、親指を押しながら切れるように2枚の刃の上下が決まっています。

左手で普通のハサミを使うためには親指を引きながら使う必要がありちょっとしたコツが必要なのです。

次に筆記についてですが、両手ともに字が書けます。

会社では電話を受けた手と反対の手でメモが取れるため、これも便利と言えば便利。

さらに右手で普通に文章を書きながら左手で「鏡文字」を同時進行で書くことができるという宴会芸を持っています。

鏡文字とは子供がよくひらがなを鏡に映したように書いてしまうアレのことですね。

何かの本で読みましたが、左利きの人は鏡文字をかける人が多いとか。

左利きあるある

両利きであることは何の自慢にもなりません。

他人にもあまり言ったことがないため、私が両利きであることはほとんどの方は知らないと思います。

それでも気づかれると、「すごいですね!」とか「そんな人いるんですね!」などとキラキラした目で言われることがよくあります。

こちらとしてはとてもビミョーな感じなわけでして「ええ、まあ・・・」などと照れ笑い。

何か努力して獲得した能力ではないので後ろめたさ満点なのです。

とは言えせっかくなので、左利きから見た右利き社会でのもやもやポイントをいくつか挙げてみたいと思います。

まず私がもやもやするのは外食先での「箸置き」の方向です。

しょうがないのはわかっていますが、必ず箸先が左を向いています。いや、わかってますよ。しょうがない。

ただ、左手で箸を持ち上げる際に何とも言えない敗北感があるわけです。

レードル

次に挙がるのが駅の自動改札。これも左利きあるあるですね。

今はスマホでピッなので左手でもマシになりましたが、昔は切符は左手、入り口は右下なので週1回程度の割合で入れ損ねて後続ににらまれてました。

左利きで困ることは世の中にたくさんありますが、たいていのことは笑ってやり過ごせます。

ただひとつだけ、どうしても許せないものが存在します。

それは「レードル」です。

レードル? そう、ファミレスなどでスープをすくう洋風お玉です。片方が尖っているのが特徴です。

アイツを手にした瞬間の敗北感、屈辱感は他をはるかに凌ぎます。正直に言って投げつけたくなります。

最近は両方に口があるものが出てますが、いまだにファミレス、バイキングでは片口のものがはびこっています。

おそらく右利きの方はいま口がポカーンとしていると思います。

右利きの方も一度レードルを左手で持ってみてください。衝撃を受けるはずです。

言葉にできない、ぶつけようのない、やるせなさを実感できます。

ダイバーシティ

左利きの人は生まれたときから自分が世の中の「少数派(マイノリティ)」であることを知っています。

成長して社会に出たその日から自分が他に合わせなければならないという、ある意味理不尽なことを受け入れて成長していきます。

そのため、物心ついた時から「多様性(ダイバーシティ)」に対する意識を無意識に持っていると感じています。

いま世界中でマイノリティへの共感が叫ばれています。

そういう意味では左利きの人はマイノリティに寄り添う相談相手にも最適だと私は考えています。

そこで右利きの方に提案です!

朝起きてから寝るまで左利きになってみませんか?

よく「一日駅長」とか「一日署長」などテレビでやってますが、「一日左利き」をやってみるのです。

やってみると、社会がいかに多数派(マジョリティ)によって形成されているかを実感できるでしょう。

特にこのコラムの自動改札のくだりで「そんなことぐらい右手で入れればいいじゃん」と思った方・・・

感覚がマヒしています!

ぜひ一度「一日左利き」をお試しください。

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