テレビでニュースをみていると最後に紹介される外国為替レート。
アナウンサー曰く、
「為替と株の値動きです。今日の東京外国為替市場、円相場はドルに対して小幅な値動きとなっています。現在は昨日と比べて13銭円高ドル安の、1ドル110円49銭・・・いま変わりまして50銭から52銭となっています」
無意識に聞き流してますよね。今なんか言った?的に。
今回はこの呪文のような文章を解説してみます。
為替は「かわせ」と読みます。
ここでいう東京外国為替市場。こういう名前の市場が実際にあるわけではありません。
日本の昼間の時間帯(9時頃~17時頃)の値動きという意味で使っています。
他にもロンドン外国為替市場(16時頃~1時頃)とか、ニューヨーク外国為替市場(21時頃~6時頃)などがあり、これも各国の昼間の時間帯という意味で使われています。
実は為替は24時間取引されており、24時間値動きがあるのです。
円高? ドル高?
各国の通貨が同じ価値、つまり1円=1ドルであれば簡単な話なのですがそうはいきません。
長い歴史の中で揉まれに揉まれてきました。
現在は、1ドル=約110円になっています。
これは1ドルで110円の日本円を買うことができることを意味しており、逆に110円出せば1ドル札を買うことができるという意味になります。
つまり、1ドルと110円は「価値が一緒」という事です。
さて、ある時突然、1ドル=110円から1ドル=100円になったとします。
これは「円高ドル安」でしょうか? それとも「円安ドル高」でしょうか?
答えは、「円高ドル安」です。
いやいや円が安くなってるでしょ! と思いますよね。
1ドルが110円から100円になったという事は、以下のように考えます。
「昨日まで1ドル札を買うために110円必要だったのが、いまは100円で買えるようになった」
つまり、「円の価値が上がった」という事です。
言い換えると、以下のことを意味します。
「円の価値が上がっていると同時に、ドルの価値が下がっている」
つまり、答えは「円高ドル安」という事になるのです。
この円相場は世界の経済状況や政治、戦争などのリスクによって刻々変わっています。
円高差益還元セール
円高、円安ともそれぞれにメリットがあり、私たちの生活にも大きく影響を与えます。
一般的に、「輸出には円高が×で円安が○」。
「輸入には円高が○で円安が×」という事になります。
例えばトヨタ自動車などの輸出がメインの企業は、現地で車を売ってドルを受け取っています。
そのドルを日本円に替えないと日本で社員に給料が払えません。
その際、円高だと「ドルで買える円が減ってしまう」ため、売り上げが目減りしてしまうのです。
逆に円安ドル高だと売り上げ以上の日本円に替えられるのでGood!なのです。
よくスーパーで見かける「円高差益還元セール」というものがありますね。
これは、ワイン、パスタ、オリーブオイルなどの輸入品が円高のために安く仕入れることができたので安売りしているのです。
円高になること、すなわち円の価値が上がったことによって、「普段は1万円でワインを5本輸入してるのに今回1万円で6本も輸入できた!」ということになるのです。
円高、円安のどちらにしても見えないところで私たちの生活に影響を与え、日本の景気にも影響を与えているのです。
外貨建て金融商品
私たちが普段利用している、預金や株式、保険などは日本円で支払って日本円で運用していますね。
これをドルやユーロなどの外国通貨で運用する金融商品があり、これを「外貨建て金融商品」と言います。
これは日本と外国の金利差を利用して長期運用でお金を増やすことを目的としています。
ただ為替レートの変動は誰にも予想がつかないため、満期を迎える時点での為替レートに大きく左右されるというリスクを持っています。
いかに金利で長期間増えたとしても、解約時に為替レートが大きく下がっていれば、金利分の利益などは微々たるものなので吹っ飛んでしまい、大きく損をすることになります。
契約の際は、担当者から十分に説明を受け、その場で契約せずに一度他のだれか詳しい人、もしくはファイナンシャルプランナーに聞いてから、納得したのちに契約をするようにしましょう。
外貨建てにかかわらず、金融商品はセカンドオピニオンが絶対に必要です。肝に銘じておきましょう。
50銭から52銭
ちなみに冒頭のニュースの中の「50銭~52銭」の意味。
ほとんどの方は誤解していると思いますが、「だいたい50銭から52銭あたりで取引されてます」という意味ではありません。
これの意味は「1ドルを『110円52銭』で買えて、1ドルを『110円50銭』で売れる」という事になります。
この2銭は一体どこへ?
この差額は「スプレッド」と言って、為替の売り買いをする際の手数料になります。
この差額によって為替の取引業者は利益を上げているのです。
銀行の待合室で呼ばれるのを待っている時に現在の為替レートが電光掲示板に表示されているのをよく見ると思います。
そこに各通貨ごとに2つの値段がついているのが、まさにBUYとSELLの値段なのです。
ニュースを見終わって「さてと洗い物でもするかな・・・」というときに流れる為替のレート。
為替は一部の投資家のためだけでなく、私たちの生活に密接にかかわっているために毎日報道されているのですね。
たまにはじっくりと聞いてみることで、また違った味わいになるかもしれません。


