年金のおはなし

年金という言葉は聞きなれていても実際にどういうものか、意外とフクザツです。

今回は年金について知っているようで知らない豆知識をお伝えしていきます。

公的年金には2種類がある

日本の公的年金は20~60歳のすべての国民が加入している「国民年金(基礎年金)」と、会社員や公務員などが加入している「厚生年金」の2種類があります。

自営業の方などは国民年金のみに加入しており、会社員の方などは国民年金と厚生年金の両方、いわゆる2階建てで加入していることになります。

平成30年度のデータでは国民年金の平均月額が55,708円、厚生年金の平均月額が143,761円なので、自営業の方は毎月55,708円、会社員だった方は199,469円(両方の合計)が支給されたという事になります。

国民年金のみの方は厚生年金の方と比べると圧倒的に年金が少ないという事になります。早めにしっかりと準備が必要という事ですね。

年金は65歳からもらえる

公的年金の受給開始は65歳です。この受給年齢は本人が申請することで、60~64歳に受け取る「繰上げ受給」や66~70歳に受け取る「繰下げ受給」も可能です。
※来年4月からは繰下げが66~75歳に延長されます。

繰上げ受給をすると年金が減額されます。1ヶ月早めると0.5%減額されるため、60歳から受給すると、0.5% × 12ヶ月 × 5年 = 30%の減額になります。
※来年4月からは減額率が0.5%⇒0.4%に変更されます

一方、繰下げ受給をすると年金が増額されます。1ヶ月遅くすると0.7%増額されるため、70歳で42%増、75歳まで粘ると84%も増えたりします!

損益分岐点も要チェック

繰上げも繰下げも、それぞれ65歳受給と比較して得するか損するかの「損益分岐点」の年齢が存在します。

60歳の繰上げ受給者では65歳受給者に総額で逆転されるのが約80歳(来年改正後)です。つまり80歳までに亡くなればお得(?)ということになります。

一方、70歳繰下げ者では65歳受給者に総額で追いつくのが約81歳、75歳繰下げ者では追いつくのが約86歳(!)になります。つまりこの年齢まで生きなければ総額で損をすることになります。

んー、平均寿命を考えるとちょっとビミョーなところですね・・・

ちなみに年金の年額が居住地の住民税非課税ラインを超えるか超えないかという場合には、繰上げをあえて選択し減額したほうが手取り額は増えるケースがあります。しっかりとした試算が必要です。

繰下げは別々が可

繰上げ受給をした場合は国民年金と厚生年金は一緒に受給開始となりますが、繰下げ受給の場合は個別で受給年齢を設定できます。

例えば、国民年金は65歳から受給して、厚生年金は70歳から繰下げ受給する、のようにその家庭のライフプランに合わせた受給が可能になります。

「やっぱりやめた」ができる

繰上げは受給を開始すると一生減額された金額を受給することになりますが、繰下げは途中で計画の変更が可能です。

例えば、70歳からの繰下げ受給を予定していたが、予期せぬライフイベントの変更があり68歳にまとまったお金が必要となった場合、本来の受給年齢の65歳までさかのぼった分を一括受給できます。

その場合、3年分を増額なしで一括受給し、その後は増額のない年金額で継続することになります。※改正後に70歳以降にさかのぼりを申請した場合、最大5年前までさかのぼりが可能で5年前時点の増額分が確保されます

もちろん、68歳から25.2%アップで受給を開始することもできますよね。せっかく3年も頑張ったので。

年金を増やそう

公的年金だけでは老後の生活が不安な場合は、任意加入の年金で老後を準備します。例えば国民年金基金、企業年金、個人型確定拠出年金(iDeCo)などがあります。

自営業の方には厚生年金がなく会社員に比べると公的年金が少ないため、自分で国民年金基金等に加入することで年金を増やすことができます。同時にiDeCoにも加入することで年金がさらに厚くなります。

もし60歳までの間に国民年金に免除や未納がある場合は60~65歳の間に任意加入をして年金を増やすことができます。

請求しないともらえない

65歳になる3カ月前頃に年金事務所から「年金請求書」が届きます。年金の支給は自動では始まらず手続きが必要なので注意が必要です。

繰下げをしたい場合は、請求書を出さなければ自動的に繰下げを選択したことになります。以降に受け取りたくなったときに年金請求書を提出すれば繰下げ分が増額され支給が開始されます。

ねんきん定期便はいろいろ

毎年誕生月に送られてくるねんきん定期便は、35、45、59歳の時はA4サイズの封書が届き、それ以外は圧着はがきで届きます。

圧着はがきの内容は、~50歳:「これまでの加入実績に応じた年金額」、50歳~「老齢年金の種類と見込額(年額)」と大きく違っています。

この金額は老後のライフプラン作成には必須の金額になるのでしっかりと把握しておきましょう。

35、45、59歳の封書の中にはこれまでの加入履歴や納付状況の記載があるので、抜け、漏れがないか確認しておきます。

神のみぞ知る

以上、知っているようで知らない年金の知識について書いてみました。

ちなみに平成18年度のデータでは繰上げ受給が約13%、繰下げ受給が約1%、残り約86%が65歳受給でした。

人の寿命、こればかりは予測不能です。まさに神のみぞ知るといったところでしょうか。

何歳での受給を選択するにしても家族で十分検討し、納得してから決めたいものですね。

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